お客様から見たロケーションとは

宿業は立地産業、その評価

駅に直結する宿の口コミ評価

宿業は立地が全てだと言われています。

 

都市ができ人が一箇所に集中ればするほど生活も移動も便利になりました。

 

その便利な場所の中心である駅前に、あなたの宿があればロケーションの評価は満点になるはずではないでしょうか。

 

でも実際はどうでしょう、、、

 

空港内にあるホテルの評価が8.9点、駅直結のホテルの評価が7.8点だったりします。

 

もちろん全体の評価ではなくロケーションだけを評価した点数です。

 

対して私が運営していた宿のロケーションの評価は9.8点でした。

 

宿の場所を説明させていただくと、

 

新幹線で広島駅に着いたあと ▶︎

在来線に乗り換え30分で最寄りの駅である宮島口駅につきます ▶︎

駅から歩いて10分で宮島行きフェリー乗り場に着き ▶︎

10分間の船旅のあと宮島に到着です ▶︎

そして宮島のフェリー乗り場からは徒歩1分で宿に到着します。

 

フェリー乗り場からは1分で宿に到着できますが、新幹線の駅とも繁華街とも離れた不便な場所です。

 

もし私がお客様の立場で、広島駅の近くで仕事があり、この宿に泊まったらロケーションの評価は低いでしょう。

 

お客様のロケーションを評価する際の基準

ロケーションの評価は、宿の立地がお客様の旅の目的にいかにプラスに働いたかが重要になります。

 

つまり移動に便利な場所よりも、旅の目的の場所に近い方がロケーションの評価が上がるということです。

 

なので街のいたるところに旅の目的地となる神社仏閣がある京都の宿はロケーションの評価が軒並み高くなっています。

 

出張のお客様にとっての宿

またビジネスで宿をご利用されるお客様より観光でご利用されるお客様の方が口コミを書かれる比率が高いことも、駅前の宿の評価が思ったほど高くない要因でもあります。

 

観光目的の旅行の場合、旅の思い出の一部として宿の記憶も鮮明に残るのです。

 

ビジネスだと旅ではなく出張なので、宿業以外の業種の人だと、宿を楽しむという行為に抵抗感があるのかもしれません。

 

家族や友人と一緒だと宿は旅の一部になり、ビジネスになると宿に泊まることも仕事の一部になってしまうのです。

 

自分が出張で頻繁に使うビジネスホテルに観光目的のときは泊まりたくないですよね。

出張するとき駅前のホテルに泊まると本当に便利で助かるのですが、口コミが残りにくいため結果として評価が上がりにくくなってしまいます。

 

自分の宿のロケーション

「普通あるだろう」という思い込み

私が運営していた宿は広島県の宮島という世界遺産に登録されている離島にありました。

 

神の島とも言われる島でしたが、あるときお客様から宮島にはキャバクラなどの飲み屋がないから不便だと言われたことがありました。

 

当時は唖然としましたが、そのように言われるお客様がいるということは、宿の場所についての私の説明が不十分だったということなのです。

 

そのお客様にとっては旅をするとき旅行先や観光地には必ずあるもので、旅の醍醐味だったのかもしれません。

 

この「普通あるだろう」という思い込みを宿側が理解できていれば、お客様がご予約をされるときに宿の場所について正確に伝えることができ、結果として評価が上がると考えられます。

 

お客様の予想をいい意味で上回る

人間は思い込みをしてしまいます。

 

なので写真と実物が違うということは、どんなビジネスでも起こりうる現象かもしれません。

 

宿の場所が駅から遠くて不便な場所にあることを地図で見て分かっていて、お客様は不便なことを納得してご予約をされます。

 

そして、やっぱり不便だったと感じられて低評価をつけられます。

 

なぜならお客様は予想していた以上に不便だと感じたからです。

 

例えば、タクシーを使えばそこまで不便ではないだろうと思っていたのに、実際はタクシー代が高額で旅行の費用計算が狂ってしまったなど、予想外のことがあると不便だったと評価されます。

 

反対に不便さを納得してご予約されたお客様が、実際に宿に来られたときに移動が予想以上にスムーズだった場合だと、満点は難しいかもしれませんが低評価にはなりません。

 

このようにお客様の予想をいい意味で上回ることが口コミには効果的ですが、お客様の予想を正確に分析できている宿は意外と少ない印象です。

 

お客様が宿に来るために使用される交通手段や宿から観光地への交通手段、チェックアウトの後の交通手段をシチュエーション毎に分析することで、自分の宿の本当のロケーションを知ることができ、このことが口コミ評価向上への第一歩になるのです。

 

分析と対策をすれば、不便さというデメリットの記憶ではなく、この宿の場所がここでよかったという、メリットの記憶が残るはずです。

 

ポイント

 

宿業は立地産業、その評価

 

□ 旅の目的地に近い方が評価が上がる

□ ビジネス利用だと口コミが書かれにくいので駅前の評価が上がりにくい

 

自分の宿のロケーション

 

□ 思い違いを起こさせない正確な説明

□ お客様の宿への移動手段を綿密に調べ、宿のメリットを探す