安全性が高いと熟睡につながる
人間は安全を感じれば熟睡できる
最初に安全について述べたように、宿屋という仕事の本質は、「安全に寝れるかどうか」だと私は考えています。
安全に寝れるから熟睡できるのです。アメニティーがどうかとか、スタッフがどうかとかは本質に付属する枝葉のような存在です。
そして「安全に寝れるかどうか」の「安全」という言葉の中には、清潔で静かという意味も含まれていますが、まずは安全と熟睡について説明させていただきます。
人間は、「安全」だと思えば、リラックスして熟睡することができます。
日常生活でも言えることですが、将来に対する不安があったり人間関係のトラブルだったり、何かに不安を感じている状態だと「安全」を感じることができないため、熟睡できなくなってしまいます。
自分の将来や今の生活が安心安全だと感じることができれば、心身ともにリラックスした状態で熟睡できるようになります。
無意識の危険察知能力
宿に泊まる際、お客様がリラックスできるような仕組みとはどのようなものでしょうか。
物質的なことになりますが、客室の中にお客様が危険を感じられるような場所を作らないようにすることです。
人間は危険な場所かどうかの判断を無意識の中で行なっているそうです。
例えばテーブルの上に包丁がそのまま置いてある状態だと落ち着いて食事ができなかったり、先端の尖ったもの(折れた木の枝)がある場所では無意識に危険箇所に目がいってしまいます。
昔の人々は今より危険と隣り合わせの生活をしていたため、危険察知能力が高かったそうです。反対に現代の我々、特に日本人はどうでしょうか。
日常生活で危険を感じることなく無警戒で外を歩くこともよくあるのではないのでしょうか。
危険察知能力が低くなっていること自体は現代ではしょうがないことだと思います。
ですが、お客様が無意識の中で客室内の危険だと判断されている場所を、スタッフが分からないことは問題です。
意識的に危険箇所をチェックする
スタッフは意識的に危険箇所がないかどうかを日々チェックする必要があります。
例えば客室の通路などの足場の面積が狭くなると、足元がおぼつかない場合があります。
その場合は、足元に置いてある備品を減らして、安全を優先してください。
また安全を重視することをスタッフが理解することで、お客様がスタッフを通して安心感を覚えてくれるのでスタッフの評価にも良い影響があります。
□ お客様は無意識の中で客室内の危険箇所を判断されている
□ 客室内の危険箇所を日々スタッフが意識的に確認すること