お客様の部屋割りについて

部屋割りは責任者の仕事

施設を最大限に活用する部屋割り

お客様の快適さの評価を上げるためには、熟睡できたかどうかが大切であると述べてきましたが、お客様が熟睡するためには「静かさ」がどうしても必要になってきます。

 

壁が薄いから苦情を言われるのは当然と思って諦めていませんか。

 

部屋割りによって、ある程度はお客様の快適さを向上させることができます。

 

例えば、団体のお客様の場合はどうでしょうか、どうしても賑やかになりますので、宿泊されるフロアーを他のお客様と分けるなどの工夫をすれば苦情は少なくなりますよね。

 

今の時代、ほとんどのお客様は事前にインターネット経由でご予約をされていますので、スタッフのカテゴリーのパート4「スタッフを信頼していただける仕組み」でも話しましたが、お客様の情報はある程度事前に分かります。

 

その情報を元に部屋割りの責任者がチェックインが始まる前までに、お客様が最大限快適に過ごせるような部屋割りを考え、各お客様ごとに気をつけることを他のスタッフが見やすいように、一枚の紙に記入しておきましょう。

 

では、実際に部屋割りをする際に気を付けるべきポイントを見てみましょう。

 

夜遅くにチェックインされるお客様の部屋割り

部屋割りを行う際、お客様が客室内でどのように過ごされるかを理解することが大切です。

 

早い時間にチェックインされた場合、一度チェックインされてから、ずっと客室内で過ごされるお客様は少ないでしょう。

 

一度チェックインされたあとでシャワーを浴びたり、休憩のために少しの間だけ客室で過ごしたあと、外出されて夜またお戻りになる。

 

このパターンが一番多いと思います。

 

チェックインだけ先にしておくことで、落ち着いて行動できるようになります。

 

観光でもビジネスでも計画的に行動されるお客様であることが分かります。

 

このお客様の場合、夜も静かに過ごされる確率がかなり高いです。

 

逆に夜遅くにチェックインされるお客様の場合、余裕を持って行動されることが苦手なお客様の場合があります。

 

余裕のない状態でチェックインされるということは、緊張状態で客室に入られるということです。

 

なので、このお客様が就寝されるためには、かなりの時間が必要であり、緊張状態が解けきれていないので細かな音も気になるので、結果として熟睡もできなくなるわけです。

 

ある程度余裕を持って行動されるお客様は、就寝されるときには既にリラックスできている状態にありますので、少しの音ぐらいは気にせず熟睡していただける傾向があります。

 

対策としては、夕方チェックインされるお客様が2組ある場合は、その2部屋の間に1部屋空けておいて、その2部屋の間にできた1部屋を夜遅くにチェックインされるお客様にご利用していただくのがいいでしょう。

 

夜チェックインの負のループ

次に書いているような、負のループにならないように夜チェックインされるお客様には特に注意が必要です。

 

1. 夜遅くにチェックインする

2. 緊張状態が解除されていない

3. 脳が睡眠に入れる状態ではない

4. 眠れない

5. 隣の部屋の音が聞こえる

6. 隣の部屋の音が原因で眠れない(隣の音のせいで眠れないと変換されてしまう)

7. 壁が薄いから眠れない

8. 評価が下がる

 

不安を取り除く部屋割り

私が運営していたゲストハウスという宿のスタイルでは、見知らぬお客様同士の交流が魅力の一つでもありました。

 

なので、お客様同士が仲良くなれるように、同じ都道府県からいらっしゃられたお客様同士を同じ部屋になるように部屋割りをしたり、同じタイミングでチェックインされたお客様同士は、一緒に話しながらお部屋までご案内していました。

 

これは、同室の人がどんな人か分からない状態で就寝すると緊張してしまう、

 

相部屋の宿ならではの問題を解消するための工夫です。

 

ビジネスホテルなど一般的な個室の宿の場合は、2組のお客様が同じタイミングでチェックインされる場合、別のフロアーか少し離れた客室にするべきです。

 

個室の宿の場合、お客様は宿の客室内を完全なプライベート空間として認識されているため、他人の干渉に対しては警戒心を持たれます。

 

この警戒心は客室フロアーの廊下でも同様です。

 

自分のアパートやマンションなどではどうでしょうか。

 

自分がアパートに帰る際、自分の部屋に入る時に誰かに見られていたら警戒しますよね。

 

それに客室階は、ある意味密室と同じなので、廊下で他人とすれ違うときは緊張してしまいます。

 

もし、隣の客室の人がどんな人か見てしまっていると、夜中に物音がしたとき、隣人の顔が浮かんでしまい、お客様がご不安になられる可能性があります。

 

逆に、お客様にとって好印象を受ける人だった場合は安心される可能性もありますが、同時にチェックインされるお客様の客室は念のため、離しておく方が良いでしょう。

 

部屋割り表の作成

部屋の空き状況やどんなタイプのお客様が今日、このフロアーにご宿泊される予定か、チェックイン済みのお客様の状況を一目で分かる紙の表をレセプションカウンターの中に用意しておきましょう。

 

一人旅、男性、女性、観光目的、ビジネス目的など、そのお客様のタイプ毎にフロアーを分けて部屋割りができたら最上ですが、同じフロアーでも、女性は女性だけのお客様でまとまるような部屋割りが望ましいです。

 

では、どのような優先順位でお客様のタイプ別の部屋割りを行うか見ていきましょう。

 

1. 宿泊人数が一人の女性のお客様だけでエリアを固める

 (近くに男性がいないようにする)

 

2. 宿泊人数が一人の男性のお客様だけでエリアを固める

 (ビジネスマンは夜遅く、朝が早い)

 

3. 宿泊人数が複数人で女性だけのお客様の場合は女性だけのエリアにする

 (男性の存在に対して一番警戒されてしまいます)

 

4. 男性複数人でシングルルームを複数ご予約されるお客様は隣同士にする

 

5. 男女のカップルでご予約の場合は、同じフロアーにする。

 そして年齢年代の違いでエリア分けをする(名前やメールアドレスで分かる)

 

ポイント

 

□ 部屋割りこそが、スタッフの腕の見せ所

□ 夜遅くにチェックインされるお客様には注意が必要

□ なるべくお客様同士が出会わないように

□ お客様のタイプ別にフロアーを分けたり、エリアを固めておく