繁忙期価格と底値
お客様の内心と口コミへの影響
普通の宿の場合、ゴールデンウィークのような繁忙期では宿泊費は値上げすると思います。
しかしあまりに法外な値段で客室を販売することは、間違いなく確実に口コミ評価を下げることになります。
「お得感」という項目の口コミを書く際、お客様は絶対に損をしたと感じてしまいます。
もちろん値段を承知でご予約をされていますので、お客様も宿側も両者納得して合意していますが、お互いの内心はどうでしょう。
宿側は「儲かった」、お客様側は「損した」と感じていないでしょうか。
値段に合意はしていますが、やり場のない怒りや不満は余程サービスに自信があるような宿でない限り解消できません。その結果、驚くような低い評価の口コミを残されることになります。
現在ではグーグルの検索エンジンで宿名を検索するとプライスインサイトというシステムによって、宿の数週間分の宿泊費が自動的にグラフで表示され、日々の変化が分かるようになっています。つまり自分が何円得したか、何円損しているかが一目で分かるのです。
底値でご宿泊されたお客様
反対に、一度底値でご宿泊されたお客様は、もうその底値でしかお得感を感じられなくなってしまいます。
また、値段が日々変化する現代の変動料金制だと、標準価格がお客様からすると分かりにくくなります。
同様に最低価格がいくらなのかも分からないようになるため、得したのか損したのかお客様はモヤモヤします。
モヤモヤするということはお客様は心のどこかで納得できていない部分を残していることになります。
そうならないためには日々料金を変化させるよりも、ある程度平日料金、休日料金のように金額を固定することでお客様にも分かりやすくなり、納得してご予約していただけるようになります。
例えばカレンダーのように1ヶ月の料金表が分かれば、あなたの宿のことが好きで、ご宿泊を検討されているお客様がわざわざご予定を変えてでも、ご宿泊していただけるかもしれません。
特に長い期間ご旅行される海外からのお客様の場合、宿の宿泊費の高い安いによって、旅程を変更されることは多々あると思います。
私は、今のどんどん便利になる世の中では、いずれインターネット上でお得度数の表示が始まるのではないかと予想しています。
□ 法外な値段で宿泊費を上げることは、口コミ評価には絶望的なほどマイナス効果になる
□ 価格を細かく変動させるより、ある程度決まった価格がある方が信頼感がある
□ 宿泊費の高い安いが分かれば、お客様が旅程を変えてでもご宿泊していただけることもある