香りと快適さ

香りも快適さにつながる

清潔さの項目では「香り」ではなく「匂い」と書きましたが、この項目では衛生的な観点での「匂い」よりも一つ上の快適さを感じてもらえる「香り」の使い方について説明させていただきます。

 

清潔さの項目で説明させていただいた「匂い」とは健康に害があるような「匂い」です。

 

無臭の状態がプラスマイナスゼロだとすると、「匂い」がある状態がマイナスになります。

 

逆に「香り」を上手く使用すれば、無臭の状態以上にお客様にリラックスしていただけ、快適さの評価を向上させることができます。

 

リラックス効果の高いアロマ

昔、シェラトンホテルに宿泊している知人を訪ねに行った際、ロビーフロアで使用されている芳香剤の香りが気に入ってホテルのスタッフに販売しているかどうかを聞きました。

 

ですが、その芳香剤はシェラトンセンスと言われるオリジナルの芳香剤で市販はされていないと言われました。

 

その香りは果実のような甘い香りというよりも、透明感があり青色のシャープな印象の香りでした。

 

シャープでありながら心が落ち着くのが実感できるので、鎮静効果がある成分を使用しているのでしょう。

 

鎮静剤と聞くと少し身構えてしまいますが、アロマと言われると安心します。ですが現実に、植物や花などに含まれる香りの中には鎮静効果がある香りの成分(エステル類のイランイランやベルガモットなどの香り成分に含まれる)が見つかり、その鎮静効果を目的としてアロマオイルの調合に利用されているのです。

 

高い効果を求めるために成分を多くすると香りが必要以上に強くなるので絶対にしないでください。

 

またお客様の中にはアロマアレルギーの方も稀にいらっしゃるので客室内での使用はしない方がいいでしょう。

 

効果的な場所

客室内に入って鍵をかけてしまえば、お客様は安全を確認することができ、リラックスすることができます。

 

ですが初めて宿の施設内に入るときや、見知らぬ人と出会う可能性がある閉塞された廊下の空間では緊張しています。

 

なのでロビーフロアや客室フロアの廊下に効果的に芳香剤を使うことで、お客様に施設全体をリラックスできる場所として認識していただけるのです。

 

またロビーフロアと客室フロアの廊下で違う香りの芳香剤を使用するより、同じ香りの芳香剤を使用するほうがいいでしょう。

 

香りも一つの情報なので、情報が増えれば、脳への負担も一つ増えることになります。

 

ポイント

 

□ 健康に害があると思われるのが「匂い」、気持ちをリラックスさせてくれるのが「香り」

□ アロマの効果的な使用でお客様にリラックスしていただける

□ アロマの使用は客室内以外で使用すること