パーソナルスペース=安全な場所
パーソナルスペースを確保することで評価が上がる
お客様が施設と設備を評価されるとき、施設は宿の建物自体や間取りなど、設備はテレビなどの機能的な備品とベットなどの什器について考えられています。
ですが、建物自体や間取りをそのまま考えているのではありません。建物の構造が丈夫そうだったか、老朽化していなかったかどうかなど、安全な施設だったかを思い出して評価されています。
建物自体は建て替えられませんが、お客様一人一人にパーソナルスペースを確保することで、建物を頑丈にするよりも効果的に評価を上げることができます。
パーソナルスペースとは人間一人一人が持っている自分が安全だと感じる他者とも距離のことです。反対に、他者との距離が近すぎると人間は危険を感じてしまいます。
お客様一人一人が宿の施設内で自分のパーソナルスペースをしっかり確保できていれば、この宿は安全な施設だったと思っていただけるのです。
ソフト面での工夫
お客様のパーソナルスペースを確保するためには、施設自体が広ければ広いほど良いのですが、施設の大きさには限りがあります。
なので、他のお客様と距離が近くなり過ぎないようにするソフト面での工夫が必要になってきます。
そのためには、まずはお客様同士が近づいてしまいがちな次の場所や状況を参考に考えていきましょう。
・チェックイン待ちのレセプションカウンターの前
・チェックイン後のエレベーターの前
・エレベーターの中
・客室フロアのエレベーター前
・お食事会場
こうして書き出してみると、レセプションのカウンターの前かエレベーターの周りしか距離が近くなることがないことがわかります。
レセプションのカウンターの前
レセプションのカウンターが混雑してきたとき、レセプションのカウンターの前でお客様に列を作って並んでもらっていませんか。
ソファやイスがあるなら座りながら待ってもらいましょう。
銀行や市役所にあるボタンを押すと順番が書かれた紙が出てくる機械を導入しても良いですし、レセプションの近くにお名前だけお伺いするだけのスタッフを配置しても良いです。
お名前だけお伺いして、スタッフはお客様のお名前とお顔を確認した後、ソファに座って待っていてもらう。
そして順番が来たらスタッフが声をかける。もしくはソファに座っている間にチェックイン用紙にご記帳していただくことも可能です。
お客様はレセプションの前で疲れている状態で列に並び、パーソナルスペースもありません。これでは評価は上がりませんよね。
ソファでもチェックインに必要な記帳作業ができるのであれば時間短縮にもなりますし、お客様からもスタッフが精一杯の努力をしていると思われます。
エレベーターの周り
次に、エレベーターの周りや中ではどうやってパーソナルスペースを確保したらいいでしょう。
エレベーターの中は外出先で他者との距離が最も近いだけでなく、閉ざされた空間になります。冷静に考えると結構危険を孕んでいるのではないでしょうか。
外出先で他人とすれ違うときに体の一部が当たったりすると、とても不安を感じますよね。エレベーターの狭い空間だと体が当たる確率は高くなります。
特に、エレベーターの中で大きな声で会話する集団と一緒になってしまったら、誰だって不快な気分になったりしますよね。
改善方法としてはエレベーターの中でスタッフの肉声で館内の説明やお得な情報を録音した音声を流す方法があります。
音声を聞いている間はお客様も聞き入ってもらえますし、アナログな音声を聞くことで安心感を覚えてもらえます。
その他にもエレベーター内は到着するまで他にすることがないため壁の情報などを注視してもらえる場所でもあります。
リラックスできる自然の写真などを飾ることも効果的です。
□ パーソナルスペースを確保できれば、安心感が上がり評価も上がる
□ レセプション前とエレベーター周りで混雑が起きてないか確認してみる
□ エレベーターの中では、アナログ音声を効果的に使う