客室内に必要な設備の優先順位
宿屋の本質と絶対必要な設備
「庭でテントを張るので泊まれせてくれませんか」過去に飛び入りのお客様がおっしゃられた言葉です。
満床だったため宿内に泊まっていただくこともできず、だからといって庭に泊まってもらってお金をいただくことはできませんし、悩みましたがすぐ近くにキャンプ場があることを伝えると、そのお客様は納得してキャンプ場に行かれました。
もちろん宿によっては受け入れるところもあると思います。
ですが、私はお客様の安全を守れない可能性があるのでお断りしました。
お金をもらう以上、お客様の安全を守ることが最低条件だと考えていますし、近くにキャンプ場もあるので他のお客様も「キャンプ場があるのになぜここでキャンプをするのかしら」とご不安になる方もおられるかもしれないと考えたからです。
それに満床の人数以上にお客様を宿泊させたら法律違反になりますしね。
その出来事以前の私は客室の中で泊まることが宿に泊まることだと思っていましたが、このお客様がいらっしゃられた後、本当の意味での宿屋の本質と絶対必要な設備について深く考えるようになりました。
では宿屋内で本当に必要な設備ってなんでしょう。
絶対に必要なものから順番に書き出していくと宿業の本質を捉えることができます。
これは宿業だけではなく他の業種でも同様なことが言えます。
絶対に必要な機能って無意識に手を抜いてしまう傾向があるので特に注意が必要です。
必要な設備の順番
・雨風が防げる場所
・外敵から身を守れる場所
・寝具
・トイレ
・手洗い
・シャワー
・エアコン
必要な機能を順番にリストアップしてみると、このような結果になります。
雨風が防げる場所や外敵から身を守れる場所などは、大きい鉄筋コンクリートのしっかりした新しい建物の方が評価が上がりやすいでしょう。
寝具はないと快適に寝れません。私は一度、布団を敷かずにフローリングの上で寝る試みをしてみましたが、眠れないだけではなく体中がバキバキに痛くなりました。硬い床で寝る健康法もあるようですがどうなのでしょう。
シャワーは一日ぐらい入らなくても我慢できるかもしれませんが、トイレと歯磨きをする手洗いは絶対必要になってきます。
この必要最低限の設備は昔から変わっていません。
その後、生活環境が向上した結果、ラジオやテレビや冷蔵庫がつき、インターネットが普及し生活必需品として認識された結果、wifiが全部屋で使えるようになったわけです。
順番に設備のクオリティーを上げる
絶対必要なものが分かったからって、どう口コミに繋がるのか疑心暗鬼になっていませんか。
絶対必要なものが分かったら、絶対必要なものから順番に設備のクオリティーを上げていけばいいのです。
例えばシャワーよりトイレと手洗いを重要視するということは、浴槽を置かずにシャワーだけにして、トイレと手洗いのスペースを広くするということです。
あれもこれも設置して客室内が狭くなるよりも、クオリティーの高いものを少数精鋭で配備する方が評価が上がります。
□ 客室内に本当に必要な機能を意識して、手を抜かないようにすること
□ 必要な機能順にクオリティーをあげれば評価も上がる