宿のコンセプトとメインターゲット
宿がある場所がどういう場所か
私が運営していた宿がある宮島の場合、観光地であり市街地から離れていたため、観光目的のお客様がほぼ100%でした。
また男女の比率は、女性のお客様が約7割にもなっていました。
女性の人気が高い場所だという情報を開業前から聞いていたため、宿のメインターゲットは最初から女性に設定していました。
ですが実際に宿を運営してみると予想をはるかに上回る女性の比率で驚きました。
神社と女性は一つのキーワードだと思います。
過去に九州の太宰府に行ったときも、道ゆく人のほとんどが女性の観光客でした。
宿のコンセプトとメインターゲットは、宿がある場所がどういう場所かによって決まります。
自分の中でこういうお客様を相手にした宿をしたいという具体的なターゲットがあれば、そのターゲットが多く利用する場所を探すしかありませんし、既に場所が決まっている場合、場所に合わせてコンセプトとメインターゲットを見つけなくてはいけません。
自分で選んだという認識が大切
メインターゲットを設定せずに、どんな人でもターゲットにしてしまうと宿のコンセプトが分かりづらくなってしまいます。
お客様の方も「この宿がいい」と思ってご予約されるのではなく、なんとなくご予約されてしまうので、自分で選んだという認識が少なくなってしまいます。
自分で選んだという過程を認識しているかどうかで、口コミの評価は変わってきます。
お客様は自分が選んだ宿をなるべく、いい選択だったと思いたい。
自分の選択が良かったと思いたいのです。
なので、自分が選んだという認識が強くあれば、宿の些細なマイナスは選ばれたお客様本人が同伴者にフォローもしていただけます。
メインターゲットを明確にするメリット
宿は宿のコンセプトを守るように努力する必要があります。
宿のスタッフも宿のコンセプトを強く認識していないと他の宿との差別化意識がなくなってしまい、漠然と業務をこなすだけになってしまいます。
それに、コンセプトが曖昧な宿ではスタッフも宿に対して愛着を持てません。
コンセプトがあり、メインターゲットが明確になっていれば、メインターゲットのお客様には自信を持って接客できるでしょう。
メインターゲットではないお客様がいらっしゃった場合は、お客様がご不便に感じられないように普段より気を使って接客する必要があるますが、メインターゲットが明確になっていれば、スタッフもどのお客様に一番気を使えばいいのかが分かり易くなります。
また宿のコンセプトがしっかりとお客様に伝わっていれば、メインターゲットではないお客様も、お客様自身の求めるスタイルより、宿のコンセプトを尊重し、普段とは違うスタイルの宿を楽しんでくれます。
□ コンセプトがあると宿を選ばれたお客様自身が味方になってくれる
□ コンセプトとメインターゲットが明確だとスタッフも対応し易い
□ コンセプトが明確にお客様に伝われば、メインターゲット以外のお客様も楽しむことができる