スタッフの評価を上げるレセプションの構造
スタッフの教育も大切ですが、スタッフが素晴らしい接客ができるように設備面でのサポートやお客様の要望に迅速に対応するためのマニュアルを作成しておくことも大切です。
通常、お客様が宿の印象について考えたとき、滞在中、特にトラブルがないようであれば、他の項目と比べるとスタッフの印象はあまり残ってはいません。
そんな印象に残っていない項目を、なんとなくで評価するとき満点は付けにくいのはないでしょうか。
ですが、あまり接客する機会がなかったお客様でも設備的な工夫から評価を上げる方法はあります。
お客様はチェックイン際にスタッフとした会話については事務的なのであまり印象には残っていません。
チェックインの際は、記帳や説明を聞くためにカウンターの上を見ている時間がほとんどで、スタッフの顔を見る時間は少ないのです。
お客様にスタッフの顔を見て印象に残してもらうためには、具体的に次のようなレセプションの構造があります。
・レセプションの向き
・レセプションの開放感
レセプションの向き
左右の壁側にある場合
レセプションの向きが入り口から見て左右の壁側にある場合、お客様が初めてホテルに入ったときに、スタッフはお客様を横目で確認してからお客様が正面にくるまで待つことになります。
それにお客様が外からレセプションを見られる場合、スタッフはお客様の存在に気付けないため、お客様に対して横顔をずっと見せることになります。
お客様を正面からみることができる時間が一瞬になるので、その分、チェックイン時におけるスタッフとお客様との作業が機械的、事務的になってしまいます。
例えるなら駅のホームで目の前を通過する列車を見るみたいな感じです。
正面にある場合
逆に宿の入り口の正面にレセプションの向いている場合はどうでしょうか。
お客様もスタッフもお互いの顔を認識しながらレセプションの場所に近づいて来ることができます。
お客様はスタッフが自分の方を見ていることを確認してから、館内を見渡すでしょう。
まずはスタッフがお客様の方に意識を向けているということをお客様に認識してもらうことが大切です。
また、正面にレセプションが向いていることで、お客様は自然と真正面からスタッフを見ることができる時間が長くなり、スタッフの印象が強くなるのです。
レセプションの開放感
次にレセプションの開放感について説明させていただきます。
レセプション内とロビーが完全に遮断されている場合、当然、お客様はスタッフとの距離を感じてしまいます。
私が運営していた宿のレセプションはL字型になっているため、正面から見ると区切られていますが、後ろから見ると区切りはありません。
一部分だけでも開放することでお客様との距離を近くしたかったからなのですが、その区切られていない場所からお客様が入って来られたことは一度もありませんでした。
防犯上どうなのか。という疑問もあるかもしれません、このレイアウトをするためには余計なものを置かないことが重要になってきます。
レセプションの後ろに鍵が並べてあったり、お客様に御記帳していただく紙を保管している場所がお客様から見えるレイアウトだとこのレセプションの構造は不向きかもしれません。
レセプションのカウンターの上はシンプルが一番です。
レセプションの本来の役割
レセプションのカウンターはお客様との境界線ではなく、チェックインに必要な書類やパソコンを置いている、ただの机なのです。
またレセプションカウンターだけではなく、スタッフオンリーと書かれたプレートがいたるところあったり、お客様が距離感を感じてしまうアイテムもなるべく置かない方がいいです。
□ レセプションは入り口の正面で、お客様をまっすぐ見てお出迎えする
□ レセプションを堅牢にするより、一部分だけでも開放している構造がいい